健康コラム
2026.10.16

尿管結石と尿路結石の違いは?部位で変わる痛みの強さを解説

「尿管結石」と「尿路結石」、名前が似ているけれど何が違うのか。そんな疑問を持つ方は多いかもしれませんね。実はこの2つは別々の病気ではなく、尿路結石という大きなくくりの中に尿管結石が含まれる関係です。そして、結石ができる場所によって痛みの強さや出方は大きく異なります。

この記事では、用語の違いを整理したうえで、場所ごとの痛みの特徴や、尿管結石が特に痛いとされる理由を分かりやすくお伝えします。

尿管結石と尿路結石は何が違う?まず用語を整理

尿路結石は「総称」、尿管結石はそのひとつ

尿路とは、腎臓でつくられた尿が体の外に出るまでの通り道(腎臓→尿管→膀胱→尿道)のことです。この尿路のどこかに結石ができる病気をまとめて「尿路結石」と呼びます。

つまり「尿管結石」は、尿路結石のうち尿管にできたものを指す名前です。両者は「上位概念と下位概念」の関係にあり、別の病気ではありません。

結石ができる場所による4つの分類

尿路結石は、結石がある場所によって次の4つに分けられます。

分類結石の場所特徴
腎結石腎臓の中(腎盂・腎杯)結石が動かなければ痛みが出にくい
尿管結石腎臓と膀胱をつなぐ細い管激しい痛み(疝痛発作)が起きやすい
膀胱結石膀胱の中排尿時の痛みや頻尿が主な症状
尿道結石膀胱から体外への出口排尿困難や排尿時痛が起きる

このうち、腎結石と尿管結石を合わせた「上部尿路結石」が全体の約96%以上を占めています。「尿路結石になった」と言われた場合、その多くは腎臓か尿管に結石があるケースです。

結石の種類(成分)や治療法について詳しく知りたい方は、尿路結石とは?原因・症状・治療法を泌尿器科医が解説 もあわせてご覧ください。

結石の場所で痛みはどう変わる?

結石ができた場所によって、痛みの強さ・感じ方・出る部位は大きく異なります。

腎結石|痛みが出にくく気づかないことも

腎臓の中にとどまっている結石は、尿の流れを妨げない限り痛みを感じにくいのが特徴です。健康診断の画像検査で偶然見つかるケースもあります。ただし、結石が大きくなって腎盂(じんう)を圧迫したり、尿管へ移動し始めたりすると、背中や腰に鈍い痛みが出ることがあります。

尿管結石|突然の激痛が特徴

尿管は直径数mmほどの細い管です。ここに結石が詰まると、わき腹から背中にかけて突然の激しい痛みが起こります。この痛みは「疝痛発作(せんつうほっさ)」と呼ばれ、体の向きを変えても楽にならないほどの強さです。結石の位置によって痛みが下腹部や太ももの内側に広がることもあり、男性では陰部に響くように感じる場合もあります。

膀胱結石・尿道結石|排尿時の痛みが中心

膀胱や尿道にできた結石では、激しい疝痛発作よりも排尿時の痛み・頻尿・残尿感が主な症状です。排尿の途中で尿が急に止まる、といった特徴的な症状が現れることもあります。

場所ごとの痛みの特徴を比較

結石の場所痛みの強さ主な痛みの部位痛みの出方
腎結石弱い〜なし背中・腰(鈍痛)じわじわ、または無症状
尿管結石非常に強いわき腹〜背中〜下腹部突然の激痛(疝痛発作)
膀胱結石中程度下腹部排尿時に痛む
尿道結石中程度尿道付近排尿時に痛む・尿が出にくい

このように、尿管結石が最も強い痛みを起こしやすいことが分かります。

尿管結石が「最も痛い」と言われる理由

尿管が細いため結石が詰まりやすい

腎臓や膀胱にはある程度のスペースがありますが、尿管は直径が数mm程度しかない細い管です。ここに結石がはまり込むと尿の流れがせき止められ、腎臓側に尿がたまって内圧が上がります。この圧力の上昇が、強い痛みの原因のひとつです。

結石の移動が疝痛発作を引き起こす仕組み

結石が尿管の中を動くと、尿管の壁が刺激されてけいれん性の収縮(疝痛発作)を起こします。この収縮は波のように強まったり弱まったりを繰り返すため、痛みにも強弱の波があるのが特徴です。

▶ 痛みの感じ方や随伴症状(吐き気・血尿など)について詳しくは、「尿路結石はどんな痛み?」の記事で解説しています。

結石が大きいほど痛いとは限らない?

小さく動きやすい結石ほど急な激痛が起きやすい

「結石が大きければ痛みも強い」と思われがちですが、実際はそうとは限りません。小さめの結石は尿管の中を移動しやすく、動くたびに粘膜を刺激して急な疝痛発作を引き起こしやすいことが知られています。

大きい結石が腎臓にとどまれば無症状のことも

一方、腎臓の中で大きくなった結石(サンゴ状結石など)は動きにくいため、かえって痛みを感じないまま経過するケースもあります。ただし、痛みがないからといって放置すると、腎臓の機能に影響が出る可能性があるため注意が必要です。

この痛みは尿管結石?受診の目安

こんな症状があれば早めに泌尿器科へ

以下のような症状がある場合は、尿路結石の可能性があります。早めに泌尿器科を受診することをおすすめします。

・わき腹や背中に突然の強い痛みが出た
・痛みに波があり、じっとしていられない
・血尿が出た(肉眼で赤い、または検査で指摘された)
・吐き気や冷や汗をともなう痛みがある

発熱を伴う場合は要注意

結石による痛みに加えて38℃以上の発熱がある場合は、尿路感染症(腎盂腎炎など)を合併している可能性があります。放置すると重症化するおそれがあるため、すみやかに医療機関を受診してくださいね。

当院の尿路結石の検査・治療については、当院の診療案内「尿路結石症のお悩み」もあわせてご覧ください。 

よくある質問

Q. 尿管結石の痛みはどのくらい続きますか?

疝痛発作の強い痛みは、数十分〜数時間で落ち着くことが多いです。ただし、結石が尿管にとどまっている間は痛みが繰り返し起こる場合があります。痛みが治まったからといって結石が排出されたわけではないため、一度発作が起きたら泌尿器科の受診をおすすめします。

Q. 痛みが引いたら治ったということですか?

痛みが引いても、結石が体の外に出たとは限りません。結石が尿管から膀胱へ落ちると痛みはやわらぎますが、まだ体内に残っている可能性があります。自己判断せず、泌尿器科で結石の状態を確認してもらうことが大切です。

Q. 尿路結石は再発しやすいですか?

尿路結石は再発率が高い病気で、適切な対策をとらないと繰り返す方も珍しくありません。食事の内容や水分摂取量の見直し、定期的な検査など、日常生活の中での予防が大切です。

まとめ

「尿管結石」と「尿路結石」は別の病気ではなく、尿路結石という総称の中に尿管結石が含まれる関係です。結石ができる場所によって痛みの強さは大きく異なり、中でも尿管結石は最も激しい痛みを起こしやすいとされています。

結石の大きさだけで痛みの強さは決まらず、小さな結石でも尿管を移動する際に急な激痛を引き起こすことがあります。わき腹や背中の突然の痛み、血尿などの症状がある場合は、早めに泌尿器科を受診されることをおすすめします。


監修者

足立浩幸

足立 浩幸

院長 / 城東鶴見腎・泌尿器科クリニック/泌尿器科・腎臓内科

泌尿器科・人工透析・総合内科・救急科での豊富な診療経験を経て、2025年6月に大阪市城東区にて開業。排尿障害・尿失禁・性感染症・泌尿生殖器癌など幅広く対応し、患者一人ひとりに寄り添った丁寧な診療を提供している。