排尿のお悩み

こんなお悩みは
ありませんか?

夜間頻尿

夜間頻尿とは、夜間に排尿のために1回以上起きなければならない症状をいいます。
加齢とともに増加し、若年者では10~30%の頻度であるのに対し、高齢者では40~80%の方が夜間頻尿と言われています。

夜間頻尿の原因

大きく分けて

  • ①多尿・夜間多尿
  • ②膀胱容量の減少
  • ③睡眠障害

に分けられます。これらの3つの原因によって、治療法が異なるので夜間頻尿の原因をまずはっきりさせることがとても重要です。

夜間頻尿の治療

①多尿・夜間多尿に対して

糖尿病、高血圧、心疾患、腎機能障害、睡眠時無呼吸症候群などの病気が原因となっている夜間多尿の場合は、基礎疾患の治療が重要です。また、水分を摂ると血液がサラサラになり、脳梗塞や心筋梗塞が予防できると信じて、寝る前や夜間にたくさんの水分をとる方がいらっしゃいますが、科学的根拠はなく、水分の摂りすぎで頻尿になっている場合は、むしろ水分を控えることが必要です。最近では夜間の尿量を抑える薬(デスモプレシン)が使われるようになりました。

②膀胱容量の減少に対して

過活動膀胱に伴う夜間頻尿に対しては、抗コリン薬などの過活動膀胱治療薬を用いて治療します。
前立腺肥大症に伴う夜間頻尿に対しては、薬物治療を中心に行います。

③睡眠障害に対して

睡眠障害による夜間頻尿には、睡眠薬の内服も有効ですが、よく眠れるような環境の整備や生活リズムの改善が重要です。

過活動膀胱

過活動膀胱とは、膀胱が過敏になって、尿が十分にたまっていなくても、ご本人の意思とは関係なく膀胱が収縮する状態のことをいいます。その結果、急に尿意をもよおしたり、何度もトイレに行きたくなったりするということが起きやすくなります。

過活動膀胱の症状

下記の4つの症状がみられる場合には、過活動膀胱の可能性が考えられます。

  • 1)尿意切迫感
    急に起こるおさえられない尿意
  • 2)昼間頻尿
    頻繁にトイレに行き、それが辛い
  • 3)切迫性尿失禁
    急に尿意が起こり、トイレに間に合わず尿が漏れてしまう
  • 4)夜間頻尿
    眠っている間に尿意で目が覚めトイレに行き、それがつらい状態

過活動膀胱の治療

過活動膀胱の治療では、膀胱により多くの尿を溜められるようにお薬を使用したり、生活改善や排尿機能にかかわる訓練などをしたりし、正常な膀胱の機能を取り戻すための治療を行います。

神経因性膀胱

神経因性膀胱とは、脳、脊髄などの神経障害により、膀胱や尿道の働きが妨げられ排尿障害をきたす病気のことです。
排尿の神経刺激の流れは、脳から脊髄を通って膀胱に到達します。また、膀胱からの蓄尿の刺激は逆の通り道で脳に到達します。つまり尿は膀胱に溜まったら勝手に排尿するわけではなく、こうした神経刺激の伝達により排尿が起こっています。

神経因性膀胱の原因疾患

  • 1)中枢神経の障害:脳の障害によるもの
    →脳血管障害(脳梗塞・脳出血など)・パーキンソン病・水頭症・認知症など
  • 2)脊髄の障害によるもの:背骨の神経の障害
    →外障性脊髄障害・椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症・脊髄腫瘍など
  • 3)末梢神経の障害:膀胱周囲の末梢神経の障害
    →糖尿病による神経障害・子宮がんや直腸がん術後の神経障害・馬尾腫瘍など

神経因性膀胱の治療

神経因性膀胱のうち、中枢性神経障害による頻尿は過活動膀胱 の治療を行います。脊髄の障害・末梢神経の障害による排尿障害(低緊張性膀胱)は、下記のような治療選択肢があります。

  • 1)薬物療法
    尿道を広げることで尿を出し易くするお薬や、膀胱の収縮を強めるお薬を使用します。
  • 2)自己導尿
    患者様自身が、尿道から膀胱まで細いカテーテルを入れて尿を出す方法です。自己導尿を続けることで様々なメリットがあります。
    • ➀膀胱機能の改善

      残尿が多いままだと膀胱がいつも広がった状態になり、徐々に膀胱の機能が低下してしまいます。間欠的に自己導尿をして膀胱を空にすることで、膀胱の伸び縮みを再現し、膀胱機能の低下を予防します。

    • ②腎機能の改善

      残尿が多いと水腎症をおこして腎臓の機能が低下してしまいます。自己導尿することでそれを予防できます。

    • ③尿路感染症の危険性の低下

      残尿が多いと細菌が発生し、尿路感染症を起こしやすくなります。自己導尿でそれを予防できます。

    • ④QOLの改善

      残尿が多いと頻尿になり外出もなかなかできません。自己導尿することで頻尿が改善し、外出しやすくなります。

  • 3)膀胱カテーテル留置
    カテーテルを膀胱に留置して尿を出す方法です。間歇自己導尿を行うことが難しい患者様に行います。
  • ※2)と3)は定期的なカテーテルの交換が必要になります。