こんなお悩みは
ありませんか?
腹圧性尿失禁
尿失禁とは、自分の意思とは無関係に尿がもれることをいいます。
尿失禁は、腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁(急に尿がしたくなり、我慢できずに漏れてしまう)、溢流性尿失禁(自分で尿を出したいのに出せない、でも尿が漏れてしまう)、機能性尿失禁(歩行障害のためにトイレに間に合わない、認知症のためにトイレに行かない)の4つに分類されます。
腹圧性尿失禁の症状
重い荷物を持ち上げた時、走ったり跳んだりした時、咳やくしゃみをした時など、お腹に力が入った時に尿が漏れてしまうのが腹圧性尿失禁です。女性の尿失禁の中で最も多く、週1回以上経験している女性は500万人以上といわれています。女性尿失禁の約半数(49%)が腹圧性尿失禁といわれています。
腹圧性尿失禁の原因
骨盤底の筋肉が弱り、膀胱や尿道をきちんと支えられなくなり、尿道括約筋が傷んで尿道をしっかりと閉じられなくなったために起こります。
腹圧性尿失禁の治療
-
治療には行動療法や薬物療法、手術療法があります。
-
- 1)行動療法
- 骨盤底筋訓練や減量、なるべく尿を我慢する膀胱訓練があります。
-
- 2)薬物療法
- β2刺激薬である塩酸クレンブテロールだけが保険適応がありますが、重症例やスポーツをする際には効果が不十分なことが少なくありません。 女性ホルモン剤は効果がないとされ、使用は薦められません。
-
- 3)手術療法
- 行動療法や薬物療法が効果不十分であった際に行います。
-
尿失禁は生命に直接影響するわけではありませんが、生活の質を低下させてしまう病気です。困ったなと思ったら恥ずかしがったり、年齢のせいだとあきらめたりせずに当院にご相談ください。
当院は、座っているだけで骨盤底筋を訓練できるスターフォーマーを導入しています。
間質性膀胱炎
- #1:昼夜を問わず排尿回数が多い(頻尿)
- #2:尿がしたくなると我慢するのがつらい(尿意切迫感)
- #3:尿がたまると膀胱や会陰が痛い(膀胱痛)
このような症状があれば、間質性膀胱炎かもしれません。
間質性膀胱炎の患者さんは推定25万人といわれ、その90%は女性で40歳以降に多い傾向にあります。細菌が原因の細菌性膀胱炎と違い、抗菌薬では治りません。また、頻尿や尿失禁の治療薬もほとんど効果がないのが特徴です。
間質性膀胱炎の診断
排尿日誌、間質性膀胱炎の症状・質問票、膀胱鏡検査を行います。
間質性膀胱炎ではハンナ病変という特有の病変を認めます。
間質性膀胱炎の治療
-
治療を行うと約90%の方に効果を認めますが、完全に症状が消失することはまれです。
保存的治療、薬物療法、膀胱腔内注入療法、手術療法を選択して行います。 -
- 1)保存的治療
食事、精神的ストレス、天気、便秘、姿勢、女性であれば月経周期の影響を受け、寛解と増悪を繰り返すとされています。天気や月経を自ら変えることはできませんが、なるべく精神的ストレスのない生活を心がけ、便秘にならないようにし、座ったまま、立ったままなどの同一姿勢の長時間の保持も避けた方がよいとされています。
生活指導の中で特に大切なのが食事療法です。【食事療法】
症状の引き金になる要因を認識し、避けることが大事です。多くの患者さんが柑橘系果物やそのジュース、香辛料、カフェイン、アルコールなどによって症状が増悪します。
尿のpHが下がる(酸性尿)食品や尿中にカリウムが多量に排泄される食品、ヒスタミンやチラミンが多く含まれる食品は避けるように心がけてください。【膀胱訓練】
通常よりも多めの水分を摂取し、1日の尿量を2000ml程度にまで増やしたうえで、尿意があってもできるだけ我慢し膀胱を広げてからトイレに行く膀胱訓練も有効です。
-
- 2)薬物療法
-
抗うつ薬、胃潰瘍の薬、抗アレルギー薬、痛み止め、ステロイドなどがあります。
-
- 3)手術療法
-
【膀胱水圧拡張術】
麻酔をかけた後、膀胱内に内視鏡を挿入し、観察下に水圧で膀胱を拡げる手術です。診断および治療目的に行われてきた治療で、約半分の方に効果があり、半年程度効果が持続するといわれています。
【経尿道的ハンナ病変切除・焼却術】
麻酔をかけた後、膀胱内に内視鏡を挿入し、電気メスやレーザーで病変を切除・焼却します。症状緩和には有効ですが、繰り返し行う必要があります。
-
- 4)膀胱腔内注入療法
-
麻酔をかけた後、カテーテルを用いて膀胱内にジメチルスルホキシド(DMSO)を注入することで、膀胱壁に直接働きかけ、膀胱の炎症を抑えたり、膀胱粘膜を修復したりすると考えられています。治療は2週間に1回、計6回行います。
骨盤臓器脱
骨盤臓器脱(こつばんぞうきだつ)とは、骨盤底筋という筋肉や臓器を支えている靭帯などがゆるむことで、膣から体外へ臓器が出てしまう状態です。中高年の女性に多く、出産したことのある方は誰でも発症する危険性があります。
骨盤臓器脱の症状
初期の段階では、入浴中に股の間にピンポン球のようなものを触れる、挟まっている感じがするといった症状が現れます。進行すると夕方~夜の時間帯で、「股に何かがぶらさがっている」といった違和感が起こります。この違和感は歩行時に自覚しやすい傾向があります。
骨盤臓器脱の治療
根治には手術が必要ですが、初期の段階や軽症な方、手術を希望されない方には、生活習慣の改善や骨盤底筋訓練、装具療法などの保存的治療が行われます。肥満体型の方は、腹圧で症状を進行させないよう減量することが重要です。便秘・せきを治す、重いものを持たないように過ごすことも有効です。
骨盤底筋訓練は、通勤時、読書や就寝前、料理する時に少しずつ行うことで、習慣化しやすくなります。初期段階であれば2~3ヵ月程度で、効果が得られるかと思います。また、尿失禁でお悩みの方にも有効な治療法です。
当院は、座っているだけで骨盤底筋を鍛えることができる、スターフォーマーを導入しております。
骨盤臓器脱は発症しても痛みがなかったり、恥ずかしくて人に言えなかったりします。しかし、放置すると尿が出にくい、トイレが近くなるなどの症状が出現し、腎臓に負担がかかるようになります。
困ったなと思ったら、早めに当院にご相談ください。
尿道カルンクル
尿道カルンクルとは、女性の尿道の出口にできる良性の腫瘍(できもの)のことです。尿道の出口のお尻側にできることが多く、大きさは大豆くらいです。血流が豊富なため、朱色~赤色の色調をしています。
尿道カルンクルの症状
尿道からの出血や血尿が多く、『排尿後にティッシュで拭くと血が付いた』と言われ受診されるケースが多いです。
腫瘤が小さいと、無症状の場合が多く、気づかないまま過ごされることも多いです。
腫瘍が大きくなると、尿道をふさいで排尿しにくくなることがあります。
尿道カルンクルの治療
軟膏を塗って経過をみます。
腫瘍が大きくなり、痛みや排尿困難を認める、症状が強くて気になる、出血を繰り返す、などの場合は手術を考慮します。
骨粗鬆症
骨粗しょう症は、骨の量が減少することで骨に空洞ができてもろくなり、骨折する可能性が高くなる病気です。
骨粗鬆症の原因
加齢に伴う老化だけでなく、閉経に伴う性ホルモンの低下、栄養や生活様式などの環境因子、特定の疾患や薬物治療により発症するものなど様々な要因が影響しています。
骨粗鬆症の治療
X線を用いて骨密度を測定することで骨粗しょう症のチェックをします。
検査の結果、治療が必要な場合には、食生活や運動などの生活習慣の改善と併せて、骨の主成分であるカルシウムやたんぱく質、およびビタミンD・Kなどを意識した「食事療法」や、運動をして負荷をかけることで骨量の増加を図る「運動療法」を行っていきます。
また、医師が必要と判断した場合には、骨吸収抑制剤(骨の吸収を抑える)や骨形成促進剤(骨の形成を助ける)、各種ビタミン(D、K)剤を用いた「薬物療法」を行う場合もあります。