お子さんのお悩み

夜尿症は親の育て方やお子さんの性格の問題ではありません。睡眠中に膀胱がいっぱいになっても、尿意で目をさますことができない、という覚醒障害を基礎としています。さらに、睡眠中の膀胱の働きの未熟さ（膀胱の容量が小さい、ある程度膀胱に尿が溜まると膀胱が勝手に収縮してしまう、など）や夜間の尿量が多いことが重なると発生します。

まずは就寝前にトイレに行くことや夜間の水分摂取を制限することなど、生活指導や行動療法を開始してみます。それでも効果が乏しい場合は抗利尿ホルモン剤の内服や、夜尿アラーム療法を追加します。 小学校に入っても夜尿症が治らない場合は、小児科や泌尿器科を受診することをお勧めします。夜尿症のお子さんは、夜尿のないお子さんと比較して、有意に自尊心が低いという報告があり、夜尿症が改善したお子さんでは自尊心の回復が見られたという報告もあります。ほとんどのお子さんは成人するまでに治癒しますが、15歳以上の1-2%のお子さんで夜尿が持続すると報告されています。特に毎晩夜尿をする場合など重症例は治りにくいため、早めの受診をお勧めします。

精巣が正常に機能するためには、比較的温度が低い陰嚢の中にある必要があります。男性不妊症や精巣捻転の危険性が上昇するため、停留精巣や一部の移動性精巣では治療を必要とします。
以前は“1歳前後～2歳ごろ”とされていましたが、6か月以降は自然治癒することが少ないため、最近はより低年齢（6か月～1歳）で治療を行うことが推奨されるようになりました。
治療は、精巣を陰嚢内に固定する手術(精巣固定術)を行います。一部の腹腔内精巣は2回に分けて治療を行うこともあります。停留精巣が精巣腫瘍を生じる危険性については、一般男性に比べ3～14倍の危険性を有するとされ、精巣固定術により精巣を陰嚢内に固定しても、その危険性は変わらないとされています。しかしながら、腫瘍の早期発見・早期治療につながるよう、精巣を触れやすい陰嚢内に固定しておくことは有益と考えられています。

自然によくなることが多いということもあり、赤ちゃんや子どものうちから積極的に治療するか否かについては賛否があります。
治療を行う場合は、包皮の先端にステロイド軟膏を毎日塗ることで少しずつ剥けるようにしていく方法と、手術を行う方法があります。
ご自宅で包皮を剥く際は、剥きすぎて元に戻らずおちんちんが包皮に締め付けられてしまう嵌頓包茎を起こす危険性があり、むやみに包皮を剥くことはお勧めできません。
亀頭包皮炎(包皮やおちんちんの腫れや痛み)を繰り返す、膀胱炎や腎盂腎炎を繰り返す、排尿障害(おしっこをする時に包皮の中におしっこがたまって風船のように膨らむ、おしっこが細くしか出ない)がある時は治療を考えます。

陰茎の痛みと局所の著明な腫れを認めます。

嵌頓してすぐの状態であれば、用手的に整復できることが多いですが、整復が困難な場合には緊急手術が必要になります。そのため、亀頭を完全に露出させてしまった場合には、すぐに元の状態に包皮を戻すことが重要です。

夜間睡眠中に突然発症することが多く、陰嚢だけではなく下腹部の痛みや吐き気などをともなうことが特徴です。右側より左側に多く、冬場に発症することが多いとされます。

超音波検査を行い、精巣の血流や精索(精巣血管を含んだ組織)のねじれなどを確認します。

緊急手術でねじれを解除し、今後捻転しないよう陰嚢内に固定します。
受診や診断が遅れた場合には、捻れを解除しても血流がもどらず精巣が壊死してしまい、精巣を摘出しないといけないことがあります。また、正常な反対側の精巣も、捻転予防のために同時に固定術を行うのが一般的です。

昼間活動中に突然発症することが多く、痛みは比較的軽いとされています。

付属器捻転症が明らかであれば手術は不要で、炎症や痛みを和らげる薬剤の服用で経過観察します。
しかしながら、精巣（精索）捻転症との鑑別は必ずしも容易ではありません。