泌尿器の感染症のお悩み

こんなお悩みは
ありませんか?

急性膀胱炎(きゅうせいぼうこうえん)

急性膀胱炎とは、膀胱の粘膜に炎症が起きる病気です。特に女性に多く、およそ2人に1人の女性が生涯で一度は経験するといわれています。また、再発を繰り返す女性も多くみられます。

急性膀胱炎の原因

腸内や肛門周囲にいる大腸菌などが、尿道の出口から膀胱の中に入り込むことで、膀胱の粘膜が炎症を起こします。 膀胱に大腸菌が侵入するきっかけはさまざまですが、性行為の際に感染が起こるケースもあります。そのため、急性膀胱炎は20歳~40歳代の比較的に若い女性に多いといわれています。最近では、温水洗浄便座による洗いすぎがきっかけで、年齢を問わずに発症するケースも増えています。

急性膀胱炎の症状

  • 排尿時に痛みがある
  • ふだんよりもトイレが近い
  • 尿が残っている感じや尿が出きっていないような感じがある
  • 尿が濁っている
  • 赤い尿が出る

膀胱炎の治療

抗菌薬を3~5日間服用することで症状がよくなることが多いです。尿量が少なく、膀胱に尿がたまっている時間が長いと膀胱内で菌が繁殖しやすくなるので、水分を多めに摂取して尿量を増やすように心がけてください。こまめに排尿することも大切です。
薬を飲み終えると、再び尿検査を受けていただき、膀胱炎が完治していることを確認します。再発を繰り返さないために確実に治しておくことが大切です。薬を服用してもなかなか症状が良くならない場合には、あらためて細菌の検査をして、細菌の種類や薬との相性を確認します。最近、耐性菌と呼ばれる抗菌薬の効きにくい細菌が増えています。完全に治るまできちんと治療することが大切です。

急性腎盂腎炎(きゅうせいじんうじんえん)

膀胱炎にかかった後、急に悪寒を伴う高熱が出たり、腰や背中に痛みを感じたりした場合、急性腎盂腎炎を発症している可能性があります。急性腎盂腎炎は、膀胱炎の後に起こることが多い病気で、細菌感染が腎臓に広がることで発症します。

急性腎盂腎炎の原因

腎盂腎炎は、膀胱炎など尿道の出口から侵入した細菌が腎臓へ逆流し、腎盂に達することで起こります。

急性腎盂腎炎の症状

  • 発熱:時に40℃を超える発熱を認めることがあります
  • 側腹部痛:感染を起こしている側の腹部から腰部に痛みを生じます
  • 頻尿:膀胱炎を原因とするので、普段よりも尿の回数が増えます。
  • 膿尿:感染した菌による膿が尿にまじり、尿が濁るようになります
  • 血尿:感染により尿路から出血し、尿に血が混じるようになります

急性腎盂腎炎の治療

腎盂腎炎の治療は、主に抗菌薬の投与です。原因菌に適した抗菌薬の使用が必要ですが、腎臓に効きやすい抗菌薬を用いて治療します。 軽症の腎盂腎炎であれば、外来通院で点滴や内服による抗菌薬投与で治癒します。しかし、高熱が持続する重症の腎盂腎炎の場合、入院して抗菌薬の定時投与などの治療が必要となります。
早期に適切な治療を開始することで良好な経過をたどりますが、治療が遅れると細菌が血液中に侵入し、いわゆる敗血症と呼ばれる生命をも脅かす状態になることがあります。気になる症状があれば、早めに受診するようにしてください。

急性前立腺炎(きゅうせいぜんりつせんえん)

細菌が男性の尿道から侵入すると、膀胱まで到達して膀胱炎になることはあまりなく、膀胱に到達する前にある前立腺や精巣上体で細菌が炎症を起こすことがあります。前立腺で細菌が炎症を起こすと急性前立腺炎を発症します。

急性前立腺炎の症状

  • 排尿時に痛みがある
  • 普段よりも尿の回数が多い
  • 尿が出にくい感じがする:炎症により前立腺が腫れるためです
  • 高熱が出る

急性前立腺炎の治療

急性前立腺炎の治療は、主に抗菌薬の投与です。原因菌に適した抗菌薬の使用が必要ですが、前立腺に効きやすい抗菌薬を用いて治療します。
軽症の方は内服による抗菌薬投与のみで改善することがありますが、ほとんどの場合は点滴による抗菌薬の投与が必要になります。
重症の方は入院による治療が必要になります。
早期に適切な治療を開始することで良好な経過をたどりますが、治療が遅れると細菌が血液中に侵入し、いわゆる敗血症と呼ばれる生命をも脅かす状態になることがあります。気になる症状があれば、早めに受診するようにしてください。

急性精巣上体炎(きゅうせいせいそうじょうたいえん)

精巣上体は、陰嚢の中で精巣の隣にあります。急性精巣上体炎は、精巣上体に細菌が感染して起こります。小さな男の子から大人まで、さまざまな年齢の男性がかかる可能性があります。

急性精巣上体炎の原因

急性精巣上体炎の多くは細菌感染によって引き起こされます。尿道の先端から侵入した細菌が精管を通り精巣上体に付着し感染を起こします。若い方だと、性感染症であるクラミジアや淋菌が原因で起こることもあります。ご高齢の方だと、前立腺肥大症や尿道狭窄などおしっこの流れが悪くなることで生じやすくなります。

急性精巣上体炎の症状

  • 陰嚢の中が腫れている
  • 陰嚢の中が痛い
  • お腹に響くように痛い
  • 悪寒を伴う高熱が出る

急性精巣上体炎の治療

急性精巣上体炎の治療は、主な原因が細菌感染なので抗菌薬の投与を行います。培養検査を行うことで感染の原因となる細菌に対して適切な抗菌薬を使用することができます。症状が重い場合には入院治療が必要となることがありますが、軽症の場合は、こまめに来院していただければ外来で治療することも可能です。
発熱や疼痛軽減のため、炎症を抑えるお薬や鎮痛剤も使用します。

慢性前立腺炎(まんせいぜんりつせんえん)

慢性前立腺炎は、前立腺に炎症を起こすことで、排尿に関する症状や性機能障害を認める疾患で、慢性骨盤痛症候群と呼ばれることもあります。前立腺疾患は主に中高年の男性に多くみられますが、慢性前立腺炎は10歳代後半~40歳代の方に比較的多くみられます。

慢性前立腺炎の原因

急性前立腺炎が慢性化することで発症することがありますが、ストレス、疲労、喫煙、過度の飲酒、前立腺周囲の血流障害、自己免疫反応、前立腺内への尿の逆流、知覚過敏などの感覚神経異常、副腎ホルモンや性ホルモンの異常などで発症することもあります。

慢性前立腺炎の症状

  • なんとなく下腹部が重く、だるい感じがする
  • 股の周辺に違和感や不快感がある
  • 排尿時や射精時の痛みや不快感がある
  • 会陰部に違和感がある
  • 精巣や陰茎に不快感がある

慢性前立腺炎の治療

前立腺肥大症の治療薬や抗菌薬、消炎鎮痛薬、抗うつ薬、植物製剤、抗けいれん薬、漢方薬を組み合わせて治療を行います。
正確な診断や適切な治療が難しい疾患ですが、症状や状態にきめ細かく合わせた治療を行うことで症状の改善が可能です。

慢性前立腺炎に対するスターフォーマーの有効性が報告されています