男性のお悩み

こんなお悩みは
ありませんか?

前立腺肥大症

中高年になると前立腺が肥大して尿道を圧迫し、尿線が細くなる、尿の勢いが悪くなる、夜中に何回もトイレに行く、尿が出にくいなどの症状を起こしてきます。これを前立腺肥大症といいます。

前立腺肥大症は加齢とともに増加し、80歳になると約90%の男性にみられるといわれています。前立腺肥大症は進行性の疾患で、悪化すると尿漏れや尿路感染症、腎臓の機能への影響がでてきます。また、飲酒や市販の風邪薬がきっかけで尿閉(尿が出なくなること)となることもあります。

前立腺肥大症の治療

前立腺肥大症の多くは、内服薬による治療で症状が改善します。しかし、尿閉を繰り返すような場合、あるいは残尿が多く腎臓の機能への影響がみられる場合には、手術やカテーテルによる導尿などの処置が必要になります。
症状が気になりだしたら早めに受診していただくことをお勧めします。

男性不妊症

赤ちゃんのできにくい原因の約50%は男性側にあることが分かっています。しかしながら、男性は受診する際の心理的ハードルが高く、なかなか受診したがらないということがしばしばあるようです。
当院は、より皆様に安心して受診していただけるよう、細かい配慮を行っています。

男性不妊症の原因

精巣の機能低下によって精子の数が減少したり(乏精子症)、精子の元気がなくなったり(精子無力症)すると、受精・妊娠が難しくなります。精索静脈瘤による乏精子症や精子無力症、閉塞性・非閉塞性の無精子症などが挙げられます。また、うまくセックスができないために子供ができないことがあります。原因として勃起障害(ED)や射精障害、性交障害といったものもあります。お薬で治療を行います。

男性不妊症の検査

問診(お話を聞く)、身体検査(超音波検査)、血液検査(ホルモン検査など)、精液検査になります。痛い検査、怖い検査はありませんので、どうぞご安心ください。
当院では保険診療を行っており、保険適用のある検査は保険診療で行います。一部は自費診療となりますが、適宜ご相談いたしますので、その点もご安心いただければと思います。

血精液症

血精液症とは、精液に血液が混入し、精液が赤色調を示す状態のことをいいます。射精した際に気づくため、急な変化に驚いたり、心配になられたりすると思います。血精液症は40代の方に多く、20代から60代まで幅広い年齢層でみられます。色は真っ赤な鮮血から茶色の古い血液まで様々で、赤ければ最近出血した状態、茶色ければ出血してから時間が経った状態といえます。

血精液症の症状

射精時に痛みがあることはほとんどありません。もし痛みを伴う場合は尿道などに感染があることを疑います。

血精液症の症状

検査をしても原因がはっきりしない特発性が多くを占め、おそらく前立腺や精嚢に存在する微小な血管からの出血が原因と考えられます。最近では前立腺がんの診断の際に行う前立腺針生検後に生じるものが多いようです。ほとんどは特に治療せずに軽快しますが数週間程度かかることもあります。そのほか頻度は低くなりますが、重要な原因として精嚢または前立腺の炎症、うっ血などの局所の循環障害、尿路性器(精巣・精嚢・前立腺・尿道)の腫瘍や結石などが挙げられます。

患者様へのアドバイス

多くの場合は特に治療を必要としませんが、症状が長く続き、出血量が多い時、また悪性腫瘍の発生が問題となる55歳以上の方は、泌尿器科の受診をお勧めします。若い方の場合、血精液症があってもパートナーへの悪影響はありませんが、内性器の安静のために少し性交は控えた方が良いでしょう。

オーガニズム後症候群(POIS)

オーガニズム後症候群(POIS)とは、『射精した後に、しばらくの間様々な症状が起こって、体調がとても悪くなってしまう』状態のことをいいます。発症年齢には2つのピークがあり、半数以上が10歳~17歳の間に症状が出ることが多いですが、残りは18歳~59歳のときに症状が出ることがあります。おそらく、原発性(生まれつきのタイプ)と続発性(後から出てきたタイプ)の2種類があると考えられています。

オーガニズム症候群の症状

  • 疲労感や脱力感
  • 頭痛
  • 発熱や発汗
  • 記憶力や集中力の大幅な低下
  • イライラやうつ的な気分の症状
  • 鼻づまり
  • 目のかゆみ・のどの痛み
    インフルエンザにかかったような症状、という報告もあります。

オーガニズム症候群の原因

射精する際の自分の精液によるアレルギーという説が最も有力です。それ以外にも、内分泌や自律神経の不調による原因という説もあります。

オーガニズム症候群の治療

  • ①抗ヒスタミン薬
  • ②非ステロイド性抗炎症薬
  • ③ステロイド
  • ④抗うつ薬、抗不安薬
  • ⑤抗アンドロゲン薬(前立腺癌に使用する薬剤)
  • ⑥α1遮断薬(前立腺肥大症に使用する薬剤)
  • ⑦性腺刺激ホルモン、テストステロン(性腺機能低下がある場合)
  • ⑧患者自身の精液による減感作療法
    などの治療法が報告されています。同様の症状で悩んでいらっしゃる方は、一度当院にご相談ください。

陰嚢水腫

陰のうの内部にある臓器のすき間に液体がたまっている状態です。陰嚢水腫には、主として乳幼児にみられる先天性のものと、大人になってから出現する後天性のものがあります。先天性のものは、腸が入っているおなかの内部と陰のうの中がつながってしまっているために、おなかの中にある液体が陰のうに降りてくることで起こります。2~3歳くらいまでに、おなかと陰のうの中の通り道が自然にふさがって治ることが多いため、たいていの場合はすぐには何もせず経過をみることになります。また、おなかの中の腸が陰のうの方へ降りてきてしまう病気である鼠径ヘルニア (脱腸)も同じ原因で起きるので、先天性の陰嚢水腫と鼠径ヘルニアはしばしば同時に存在します。後天性のものは原因が不明のことが多いのですが、炎症や腫瘍などが原因で生じることもあるといわれています。

陰嚢水腫の症状

通常は、片側もしくは両側の陰のうが大きくなる以外の症状はみられず、痛みなどもありません。もし、陰嚢水腫と思われていたのに、急に腫れておなかや陰のうの痛みが出現した場合は、緊急の処置を要する別の病気(精巣捻転、鼠径ヘルニアの合併やそれによる腸閉塞など)の可能性があるので至急、専門医を受診してください。先天性のものは、内部の液体がおなかと陰のうの中を行ったり来たりするために、日や時間帯によって陰のうの腫れの大きさが変化するのが特徴です。

陰嚢水腫の検査

触診による硬さの確認や、腫れている陰のうの中身が液体なので、陰のうの向こう側に当てたペンライトの光が透けて見えることなどで診断ができます。また、超音波検査も診断に有効です。

陰嚢水腫の治療法

  • 1)先天性の場合
    まずは経過をみることになります。3~4歳以降になっても腫れが治らない、あるいは鼠経ヘルニアを合併している場合には、おなかと陰のうの中をつないでいる通り道をふさぐ手術が必要になります。
  • 2)後天性の場合
    自然に治ることはありませんが、それほど大きくなくて邪魔でなければ放置してかまいません。大きくて邪魔になったり違和感があったりする場合は、液体がたまらないようにする手術を受ける必要があります。
    注射器で中にたまっている液体を抜くという治療法もありますが、たいていの場合効果は一時的で、そのうちにまた液体がたまって大きくなってきます。先天性のものにはこの治療法は行ないません。